映画館で見るべきかな、なんて思っていたものの、公開された瞬間に大賞賛の嵐だったから速攻で見に行ったシンゴジラ。もう一度見に行きたいなあ、とは思っていたものの月日が結構経ってしまったので、ブルーレイ化を待ち望んでいたところついに3月に発売ということで、なんとも楽しみで仕方ない。
というわけで、本当に今更ながらネタバレしない程度にシン・ゴジラの感想。
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ゴジラに興味がない人も、エヴァに興味がない人も、とりあえず黙ってシン・ゴジラ見たらいいさ。
個人的にはエヴァは好きだが、ゴジラにはあまり興味のない人間だったものの、それはそれは非常に楽しめた。エヴァもゴジラも両方興味がないうちの奥さんですら楽しめたのだから、とにかく百聞は一見にしかず。
エヴァ好きから言わしていただくと、ちょっとエヴァファンに媚びを売りすぎなんじゃないか?と思うような演出が盛り込みまくりだったのが、若干マイナス。
とはいえ、いわゆる「庵野らしさ」が全開だったのは二重丸。
とにかく小難しい言葉を並べまくる感じとか、ミリタリーな描写に極限までのリアリズムを求めるとか、絶対に回収する気の無い伏線を貼りまくる感じとか、細かいレベルでのオマージュのオンパレードとか。
議論を生んでいるラストシーンについては、庵野の「いつもの手口」と思って見流していますが、きっと今回も同じように意味深いものに意味を作らず、バズらせるだけの悪戯なんだろうと思う。さんざん振り回して裏切るの大好きですからね。
ゴジラを題材にしているものの、ゴジラがいなくても成り立つような話だとは思う
ゴジラ映画なんだけど、ゴジラがいなくても成り立つ映画。日本映画だから成り立つっていうのはあるけど、怪獣を見せることが全ての怪獣映画ではないのは確か。
そもそも怪獣映画かといえばちょっと違う。
ある意味、日本の縮図というか、会社勤めとか組織に属している人間なら、誰しもが共感できる話。なぜ日本という国が「決定力不足」と言われるのか、といった視点で見ると面白い。むしろ、その滑稽さがこそがこの映画の中で一番光るポイント。
お役所に行って窓口でたらい回しにされる時に感じる憤りと違和感、それを国家レベルで壮大に表現したような感じもする。
日本的なピラミッド構造の組織にありがちな、決裁文化や御前会議的な意思決定プロセス。とにかく、一つの判断が下るまでに必要なプロセスの多いこと多いこと。
まあ、裁量権を現場に渡さない=責任を上に持ち上げるということなかれ主義の象徴というか。ある意味、この国が未曾有の危機に晒された時に国家の中枢で行なわれていることが何かという点では非常にリアリティがある。
ちなみに、庵野秀明はご存知の通りミリタリーオタクかつ必要以上にリアリティを求める性格でもあるため、本当に陸海空の各自衛隊に「ゴジラが出たらどうやって倒しますか?」といった質問を投げかけたそうです。
結果的にはそれぞれがそれぞれの方法で「自分たちが倒しますから」といった趣旨のことを言っていたらしいですが、統合幕僚長だとどんな見解を示すのか、興味ありますね。
メインの役者は良くも悪くも。石原さとみだけが現実味なし
メインキャストが基本的に「はみ出し官僚」なので、現実的にこんな官僚いるのかな?なんて思うところもありますが、キャラ的にはいい感じの配役。
竹野内豊はちょっとずるいなあ。
「石原さとみ」だけは、あまりにも浮世離れしすぎているというか、現実的にあんなやつはいないでしょう。。。あと、脇役の使い方が異常なほど素晴らしい。特に、「片桐はいり」「ピエール瀧」あたりは鉄板ですね。
ところで、エヴァはどう落とし前つけるつもりなのか
ここまで心血注いで映画作った庵野の心意気は素晴らしいけど、「エヴァは放置してました」って素直に言えばいいのに、「シン・ゴジラ」の監督引き受けた時のコメントが、「言い訳」っぽくなっていたのは、やはりというか、なんというか。
エヴァ破からエヴァQのブランクも当時相当長かったと言われているが、それでも3年。既にエヴァQの公開から4年が経過するものの、一切音沙汰なし。シン・ゴジラ作ってどうせかなり疲弊してしまったぽいから、下手するとまた3年くらいかかるんじゃないかって気もしてきた。
どう考えても120分の映画一本どころでは回収できないような伏線貼りまくって放置しているけど、「ZZガンダム」の最終回みたいに超乱暴な幕引きしてしまうか、さらに伏線残して放置するのか、いずれにせよ庵野秀明という男は後味のいい映画を作る気がまったくしないものです。。。
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初代も改めて見たい。
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