Amazonプライム配信の松本人志の新作「Documental(ドキュメンタル)」は地上波じゃできない究極の芸人ドキュメンタリー (若干ネタバレあり)

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WEBバナーなんかでチラチラでてきたAmazonビデオで配信中の松本人志の新作「Documental(ドキュメンタル)」を見たのだが、これがすこぶる面白かった。

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Amazonビデオだからできる笑い

テレビも自主規制やらで昔ほど無茶な番組が作り辛いんだろうなと素人でも分かるような状況の中でも、「水曜日のダウンタウン」のようなギリギゴールデンでも提供できるような独自の笑いをなんとか工夫して作っている松本人志が「テレビじゃないからできる」と考えた企画が「Documental」

昔から、かなり「働くおっさん劇場」「WORLD DOWNTOWN」「ひとりごっつ」などテレビでやって大丈夫なのか?というきわどい実験作を深夜や早朝に作っていたものの、ついにはテレビというメディア自体にも限界がきたのかなんて思ってしまった。

確かに、地上波ではできないような笑いは「BAZOOKA!!!!」のようにCSなどではよく見られる。

そんなテレビという媒体から脱出して作った「Documental(ドキュメンタル)」は「笑ってはいけない●●シリーズ」の延長線上にある、「笑わない」という究極の「笑い」に対してのドキュメンタリー。

「笑いのプロ」である芸人が、「笑ってはいけない」が周囲の芸人を「笑わせなければいけない」という極限の密室空間に追い込まれている様子をひたすら定点で観測し続けるという作品。

賭け金100万円を背負わせる緊張感

参加する芸人は100万円を掛け金として支払わされ、最後まで笑わずに生き残れたら全員の賭け金を総取りするという非常にシンプルなルールだが、それが独特の緊張感をもたせている。

言うてもそれなりに売れている芸人ゆえお金はあるはずなのだが、芸人のランクによってはその100万ですら「先輩」や「会社」から借りたりなど、ある意味命がけ。

お金をかけるからこそ「勝ち」にいくのだが、いくら試合に勝っても「芸人」として面白い様を見せなければ、「勝負」は負けたことになるところがミソ。

だからこそ、積極的に見せ場を作りにいくし、振られた無茶振りからも逃げられない。

あるものは果敢に攻め、あるものはひたすら耐え、といった攻防が6時間という長丁場の密室で繰り広げられるのである。

参加芸人のバランスが素晴らしい

一応、さまざまな芸人に対して招待状が送られ、中には断った芸人もいることを示唆した上で、名乗りを上げた芸人が登場するのだが、その芸人たちが松本人志による緻密な計算の上に集められたとしか思えないラインナップ。

「フジモン」「宮川大輔」「ハチミツ次郎」といった「すべらない話」の常連や、「どう考えても松ちゃんがみたいだけ」としか思えない野生爆弾「くっきー」、松本人志の好きな「外人」「ハゲ」といった身体的特徴を持った「アントニー」「トレンディ―エンジェル斉藤」、極めつけは松本人志が最も好む「カオス」を演出する上で欠かせない「ジミー大西」など、松本人志カラ―が色濃く出ているラインナップではあるが、注目すべきはそれらの芸人のカラーリングバリエーション。

「笑ってはいけない」が「笑わせなければいけない」という「攻守」が表裏一体の状況であることから、そこには「攻撃型」「防御型」という明確なパラメータ―を考慮した人選を感じた。

例えば、「ジミー大西」は圧倒的な攻撃型であり、逆に言えば防御力はほぼ皆無。
「天竺鼠 河原」にいたっては松本人志が曰く「板尾創路型」と分類するようにおっそろしいまでのポーカーフェースという「防御型」

そこに「くっきー」のような「予測不可能タイプ」や「宮川大輔」のように攻撃には長けていないが回避力の高いタイプ、「アントニー」のように後輩ゆえの「いじられ」が結果として「笑い」として巻き込むタイプといったように、単なる「ボケの殴り合い」にならないような見事なバランスが組まれているのである。

Documental(ドキュメンタル)」をみていて脳裏をよぎったのは「さんまのお笑い向上委員会」
あれは「明石家さんま」らしい「とにかく誰よりもボケ、誰よりも突っ込ませるスキを作り、さんまにパスを渡すか」といった本当の意味での「玉の撃ち合い」のような構成であり、表面上はトークバラエティであるものの、出演している芸人からすれば本当の意味での「戦場」なんだろうなと見ていて思う。
ただ、パターンが決まってくると、「いかに強力な弾を撃てるか」の争いに終始する為、わりとマンネリになりやすいのがあの番組の欠点ではあるものの、「Documental(ドキュメンタル)」については、「笑ってはいけないシリーズ」で培った「笑わない」という「究極の笑い」を要素として盛り込むことで「駆け引き」と「間」といった「隙間の笑い」を取り入れた高度にして戦略性の求められる勝負が生まれる。

その勝負空間をより面白いものにする為の人選としては、今回のメンツは凄まじく秀逸であり、松本人志の3次元的な笑いのセンスが尖りに尖った作品に仕上がっていると感じる。

シーズン1がまもなく終了、果たしてシリーズ化されるのか→2017.09.02追記:すでにシーンズ3まで公開

12/21配信分を持ってシーズン1は終了ということで今回の勝者が決まるようだが、是非ともシリーズ化していって欲しいと思う企画である。

2017.09.02追記
続編については、やはり、というかすでにシーズン3まで公開されており、各シーズンごとにルールの微修正なども加えられ、「お笑い」としての完成度が高まっていると同時に、地上波では放送できない感や見る人を強烈に選ぶ感が強くなってきている。

特にシーズン1では防御が有利ということが発覚するとともに、勝ちに拘るほど作品として面白く無くなるという現象が起きてしまっており、シーズン2以降では作品としてよりアグレッシブな展開を作り上げる上で「ポイント制」が導入され、またシーズン3では極少人数に絞られた時の硬直感を打破するため敗者復活的な「ゾンビタイム」というルールが追加されることによって「オールタイム」で「笑い」を生み出す手法を取り入れている。
ゾンビタイムについて、ゾンビは笑ってもOKのルールのため、なりふり構わず笑わせにいくのだが、手段を問わないリミッター解除状態の芸人の本気の「笑い」は狂気の域に達するのである。

また、出演者の選定における考え方については、総合演出である小松純也さんのインタビューに記載があった。

“相当客を選ぶバラエティ”松本人志の『ドキュメンタル』は、どうやって作られたか?『ドキュメンタル』総合演出・小松純也さんインタビュー #1

http://bunshun.jp/articles/-/2234

キャスティングは、みんなでアイデア出し合ってという感じですけども、松本さんが言っていたポイントは、「笑いをこらえてる顔が面白そうなやつ」。そこが笑いどころだっていうのは松本さんには最初から見えてるんです。あとは、ショーマンとして徹することができる人。この企画の芯は、優勝すれば1000万円というお金の部分もありながら、一方でカメラで撮られている芸人である自分もいるわけですよね。つまらない人に見せたくない。でも、お金も欲しい。その板挟みになる。さらに言うと、自分が笑かして勝つっていうのが一番理想。笑いはやっぱり空気を作っていかないと起こらない。そこを構築していきつつ、その波に乗るということ=笑ってしまうというリスクに乗っていくという緊張感が出せる芸人ですね。

「笑いをこらえている顔が面白そうなやつ」ってところに笑いのゴールを見据えているというのは、目から鱗ですね。
言われてみれば確かにそうで、ただ単に面白い人を集めているだけではないわけです。

続編が作られるのであれば、「笑い飯 哲夫」「ますだおかだ岡田」「板尾創路」「黒沢かずこ」
あたりに是非出演してもらいたいものだ。
上記視点で見たときに誰が面白いのかなってのは、また変わってくると思いますが、「劇団ひとり」とかはすっごいいい仕事しそう。

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