名盤「アンテナ」完全再現。くるりのLIVE「NOW AND THEN VOL.3」にいってきた。

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4月のある日、なんとなく嫁に「くるりのライブにいこう」と誘われたものの「最近のくるり、よくわからんからなあ」って思い返事を渋っていたのだが、その後たまたま聞いていたラジオでどうやらアルバム「アンテナ」の完全再現ライブという話を聞き、「おいおい話が違うぞ!」とすっかり鼻息荒く、数年ぶりに「くるり」のライブに行くことになりました。

場所も、名古屋市公会堂。

音楽に向き合うにはとてもいい環境ではないか。
(といいつつ、公会堂でライブ見たことなかったけど)

 

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くるり過去のアルバムの完全再現ライブ「NOW AND THEN」

数年前にprimal screamが、かの名盤「スクーマデリカ」の完全再現ライヴを行ったことで話題になりましたが、くるりも2016年に結成20周年を迎えるということで、昨年から過去のアルバムを完全再現するツアー「NOW AND THEN」を始めていたそうです。

今回はVOL.3ということで「アンテナ」の再現。

ちなみにVOL.1は「さよならストレンジャー」「図鑑」、VOL2は「TEAM ROCK」「 The world is mine」の完全再現だったそう。
「図鑑」と「The world is mine」ってどうやって再現したのか気になるが...

「アンテナ」の思い出

ちょうど高校を卒業する頃だっただろうか、あの当時は「TEAM ROCK」から「Tworld is mine」へ作品性がシフトしていった「くるり」をまったく受け入れることができなかった状態の中、実家で流れていたスペースシャワーTVから流れた「ロックンロール」に「これだ!これこそ求めていたくるりが帰ってきた!」と、ストレートなロックに戻ってきたことに素直に感動した。

特に、ドラムの「クリストファー・マグワイア」の、叩きつけるようなパワフルでエモーショナルなドラミングには度肝を抜かれた。

ほどなくして、僕は神戸の大学に通う為、実家を出た。

当時のアパートは阪急沿線、アパートのすぐ裏を電車が走り、最寄りの駅に向かうまでの線路沿いには桜が咲いていて、阪急電車が通過する度に桜の花びらが舞い散る、そんな場所だった。

神戸で迎えた新しい春のBGMとして、「アンテナ」のジャケットに描かれた彩度の高い「仲見世」の写真とともに、その時の気持ちにリンクしていた。
今でも、「アンテナ」のジャケットを見ると、神戸に住み始めた頃、桜を見ながら阪急の線路沿いを歩いて駅に向かうあの頃を思い出す。

「アンテナ」だけではなく、「ジョゼと虎と魚たち」の曲も

肝心のライブはというと、岸田くん、佐藤くんに、ギター、鍵盤、ドラム、コーラスの比較的シンプルなセットだったが、特にドラムの「クリフ・アーモンド」の超絶的なテクニックとパワーに完全に持っていかれた。

テクニックもさることながら、単純に体格的に外国人にしかあのパワーのあるドラムは叩けないのだと、改めて思った。

「アンテナ」完全再現とはいうが、当然「アンテナ」だけだと曲が少ないので、一通り曲順に「アンテナ」をやり終えた後、2003年〜2005年頃の曲を演奏し始めたのだが、なんと「ジョゼと虎と魚たち」の曲も演奏し始めたのには感動。

個人的に、くるりの好きな曲ベスト5には食い込んでくる「花の水鉄砲」と「ジョゼと虎と魚たち」収録の「飴色の部屋」がこの日のハイライト。
特に前者は、きっとこの先も生で聴ける機会はないだろう...

最後はここ最近の新曲も、ということで、まさしく「NOW」と「THEN」を体現したライブ。

また、公会堂という1000人にも満たない会場に対してかなり大規模なサウンドシステムも入っており、かなりシステムのパワーに余裕をもたせて鳴らしていたのか、凄まじく音がよく、音楽に集中する環境としては最高だった。

 

クリフ・アーモンドの熱演により完全再現、いや、それ以上の完成度に圧倒されたものの...

上述の通り、個人的にはほぼ全曲を通じて「クリフ・アーモンド」のドラムの凄さに圧倒され、「アンテナ」の完全再現、いやそれ以上の完成度のライブを見せつけられ、「ジョゼ」の曲や新曲含めて満足感は180%以上ではあった。

ただ、1曲を除いて。

それは「アンテナ」のリードトラック「ロックンロール」

何度も言うが「クリフ・アーモンド」のドラムは最高だったし、ギターの松本大樹くんの演奏も「大村達身」さんを彷彿させる安定感だった。

それでもやはり「ロックンロール」だけは、「クリストファー・マグワイア」じゃないと、あの荒々しくエモーショナルで変態的なドラムがあってこそ、「ロックンロール」なんです。

かつて岸田くんは「アンテナはクリストファーのアルバム」と語ったことがあり、クリフ・アーモンドも「アンテナ」自体には関わっていたこともあり、全般的には「完全再現以上」だとは思ったが、「ロックンロール」だけは紛れもなく「クリストファー・マグワイア」の曲だと、改めて思った。

普遍的なポップスの王道を行くメロディに相反する、一打一打に全身全霊が込められ、いつ壊れてもおかしくないような破壊的で荒々しいクリストファーのビートの殴打。
牧歌的な曲調に潜む独特の緊張感。
「ロックンロール」はまさしくクリストファーにしか出せない音だと改めて思う。

ところで、今の「くるり」って誰がメンバーなのか

正直、「大村達身」さんの脱退以降、「ワルツを踊れ」以降は、あまり詳しくなかったのだが、一応オフィシャルには「岸田くん」「佐藤くん」「ファンファン(産休中)」の3名と記載があります。

が、そもそも「ファンファン」は活動休止中らしく、今回は「ギター:松本大樹」「ドラム:クリフ・アーモンド」でしたが、あのmabanuaがドラムを務めるときもあるようです。

アルバムやライブ毎にメンバーが入れ替わるのは昔からのことなので、今更驚くこともないですが、「岸田&佐藤+α=くるり」という図式は、岸田くんが新しい音楽を広げていく度に流動的に変化していくことでしょう。

しかし、新曲、完全にR&Bでしたね...

 

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