僕が昔から敬愛するDJであり、先日4/29にフィナーレを迎えたDK SOUNDの首謀者TraksBoysの一人であり、最近ではシティポップバンド(((さらうんど)))やネオ・ ドゥーワップ・バンドJINTANA & EMERALDSの活動でも有名なXtal(@XTAL_JP)さんが2004年頃にmixi等のSNSや極一部の関係者だけに配布していた伝説のmix「made in japan classics」がVol.1~3まで現在sound cloudで公開されております。
Vol.1 "DISCO TOKIO"
Vol.2 "Ordinary Love Story"
Vol.3 "A Long Summer Vacation"
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軽く人生を変えられた、思い出深いDJ MIX
ちょうど10年ほど前、大学生で神戸に住んでいた頃、当時仲の良かった友人が「東京にいる高校の同級生からいいDJ MIXをもらった」と教えてもらったのがXTALさんのmade in Japan classicsシリーズでした。
当時、ハウスやテクノの何たるやを全くわかっていなかった(今でもわかってるとは思ってないですが)自分にとって、それはあまりにも衝撃的な内容でした。
若気というか、やはりDJやりたての当時の自分としては「最新が一番カッコイイ」と思っていた価値観を完全にぶち壊されました。
その中でも、自分の中で一番大きかったのは「山下達郎」さんの素晴らしさに気づくことができたことでした。
山下達郎を好きになるきっかけ
Vol.1"DISCO TOKIO"に収録されている「FUNKY FLUSHIN’」という達郎さんの曲を聴いた時の衝撃があまりにも大きかったのです。
小さい頃、親の車の中で「サンデーソングブック」が流れていたことは記憶にあるものの、やはり「クリスマスイヴ」のイメージが強かった自分にとって、「あの山下達郎がこんなにもグルーヴ感のある曲を作るのか!」と仰天し、どんどん達郎さんの曲を聴くようになり、達郎さんの「曲作りに懸ける職人的な情熱」に心酔していきました。
1つ1つの音に対するこだわり、深い音楽への愛、バックグラウンドにあるのは洋楽でありつつも、そこには日本人に向けてのメッセージが込められていること。
XTALさんも自身のホームページで山下達郎さんの魅力について、非常に興味深いコラムを書かれてます。
初めてXTALさんご本人とお話する機会があった時にも「made in japan classicsがあったから山下達郎さんを好きになれました」と開口一番にお話したほど。
「FUNKY FLUSHIN’」は今でこそ、いろんなパーティでいろんなDJがかける「クラシックス」ですが、今でもこの曲を聴くと当時何かに悶々としていた大学生の頃の記憶や、古い日本の7インチレコードを安く仕入れては夜な夜な友人の家で聞いていた頃のことを思い出してしまいます。
DJのMIXで新しい価値観が生まれるということ
もう何回聞いたのか分からないくらいこれらのDJ MIXについては聞いてきましたが、このDJ MIXで一番感じたことは、DJのMIXでそれぞれの曲に新たな価値観が生まれるということです。
例えば、恐らく当時の自分は達郎さんの曲だけ聴いても、きっとそんなに好きになることはなかったと思います。
それは、DJ mixという1つのストーリーの中で自分の気持ちが盛り上げられたことに違いありません。
収録されている楽曲は、今となってはクラブの現場に於いても「クラシックス」となっている曲ばかりだと思いますが、当時はきっとそこまで注目されているわけではなかったと思います。
それが、DJがMIXをすることによってそれぞれの持ち味が最大限に引き出されることで新しい価値観を生み出したということ。
まがいなりに自分もDJする時に意識するべきこと、そしてそれがDJが単なるセレクターではなく価値を生み出す理由なのだと、気付きました。
素材の味を完全に引き出したり、掛け合わせによって新しい感覚を生み出したり、DJと料理って似てるなって、よく思います。
そういえば、そういうマンガもありますね。
とんかつDJアゲ太郎
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なお、後から知った話ですが、どうやらVol.1"DISCO TOKIO"については裏のコンセプトがあり、「ロン・ハーディにぶっ飛ばされた日本人が、日本に帰ってきて手持ちのレコードを使って真似をしたら...」みたいなことらしいです。
*ロン・ハーディ:伝説的シカゴハウスのレジェンドDJ。とにかく異質で独創的なmixで後のハウスDJに大きな影響を及ぼした。1992年他界。
そういった裏のコンセプトも含めて聞くとまた違った聞こえ方がするのもこのDJ MIXの面白いところで、本当に緻密に作られたmixですので、是非一度聴いてみてください。