上州屋が最近大量閉店しているらしい

投稿日:2017年8月19日 更新日:

かつては西の「ポイント」、東の「上州屋」と言われた、釣り具界の巨人の「上州屋」が最近、どんどん店舗を閉鎖しているとのこと。

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水は地球の命です!で一世風靡した上州屋

幼少期に釣りに興じていたころは、釣具屋といえば地元のおっちゃんがやってるような小さな釣具屋か、「フィッシング遊」もしくは「上州屋」しか選択肢がなく、大抵は「フィッシング遊」と「上州屋」をハシゴするのが定番でした。

当時90年台後半はバス釣りブームの流れもあり、上州屋のオリジナルブランドとしてKEN CRAFTを展開してた時期。
上州屋提供の千夜釣行という番組で謎のバスアングラー「ケン・スズキ」が美しい景色の中で釣りをする、そのラインの先にはKEN CRAFTが結んであって当時は無性に憧れたものでした。

ケンスズキ
大人になった今では、ケン・スズキ=上州屋の社長で、自社製品を売るための壮大なプロモーションだったんだとわかりましたが、子供心にはなにもわからず「ケン、フィッシュオン!」に純粋にカッコイイとか思ったわけです。

実際、バスパーとかリニージクワイアットとか名作ルアーも一部あるんですよね、KEN CRAFTケンクラフト バスパー

10数年ぶりに釣りに復帰した時に感じた上州屋の違和感

2014年に幼少期以来10数年振りに釣りを始める時、まずは釣具屋に向かう時に浮かんだのはやはり上州屋とフィッシング遊(東海3県ならおなじみ)でした。

フィッシング遊に行くと、10数年前の時の面影も残りつつ、ルアーフィッシングの多様化で更に賑やかになっているのを感じた一方、上州屋はどことなく店内の雰囲気が暗い。。。

当然ながらKEN CRAFTもありませんでしたが、昔お世話になった格安タックルの「SZM(スズミ)」が寂しそうに転がっていたのを覚えています。

そして、中古釣具店というのも昔はあまりなかったのですが、妙に変な立地にタックルベリーが乱立していることにも驚き。

10数年のブランクは思った以上に釣り業界に変化を与えてたと、しみじみ。

今でも正直、上州屋はあまり使わない

お店がどんどん潰れていっていることもありますが、立地も名古屋市内だと中川などちょっと離れたところに立地していることもあってあまり上州屋は活用はしません。
ただ、半田店については亀崎や衣裏からアクセスがいいので立ち寄ったりしますし、どことなくそういうお店は妙に勢いがある印象。
一方、昨年閉店した「長久手」なんかだと、開店してるのかどうかすらも怪しいくらい暗いオーラが出てました。
きっと昔は長久手野池が多かったからそれなりに需要あったんだろうけど、今となっては・・・って感じなんでしょうね。

確かに閉店も多い一方、新店オープンも

直近の上州屋の閉店店舗については、以下の記事で紹介されており、全国200店程度の規模に対して10%近くのお店が閉店しています。
http://thebandwagon.wp-x.jp/2173.html

ところが、上州屋のHPを見てみると、意外にも新店オープンのニュースも結構上がってます。

不採算店舗の清算をしつつ、人気あるエリアでの集中展開に戦略を切り替えたってことでしょうか。

ネット販売市場の拡大が原因とも考えられるが

どこの小売ビジネスも総じて実店舗販売が右肩下がりになっている中で、確かにイーコマースの影響はあるのかもしれませんが、個人的には釣り具は実物見て買ったほうが間違いがないと思っています。

  • ロッドやリールは使った時のフィーリングが重要なので、実物を触らないと決め手にかける
  • 消耗品になるフックやシンカーなども号数などが表記されているものの、実物見ないと買い間違いが起きやすい。そして小物はネット通販で買う時に種類が多すぎて快適に買い物ができない

確実に買うものが決まっていて、定期的に補充するものであればネット通販でもいいのかもしれないですが、釣りってフィーリングの遊びですので、膨大に陳列されている釣具屋で手にとって釣り具を買うところも楽しみの一つなのかなと思ってます。

あと、ネットオークションやメルカリなどのフリマアプリによる中古釣り具市場については、確かに一定の規模になりつつあると思いますが、日本の物流が逼迫している現状において、ただでさえ配送に難色を示される釣竿みたいな大物の個人配送は配送料がどんどん高騰していくと思われるので、限定的なのかなとも。

それ以前に釣り人口の年齢層が高めなので、ネットで買うとかフリマアプリで売買するってことがメジャーになるには、それ以前の努力が釣り業界全体で求められると思いますが。

上州屋の件から未来の釣具屋さんを考えてみた

10年とか20年くらいの視点で見れば、間違いなくありとあらゆるものの購買行動はイーコマースの守備範囲が拡大していくのは明白。

ある意味で現状の釣具屋さんは、総合的な品揃えと物量で、立ち寄った客には何かしらを購入させるor大きなものを買ったついでに小物を買わせるといった手法に頼らざるを得ないのかと。

小物類(=コモディティなもの)については、おそらく圧倒的な物量と流通力を持ったアマゾンのようなプラットフォーマーのビジネスフィールドに遅かれ早かれ占有されると思われます。利益率も高くないだろうし、ここで戦うのは愚策。

ただし、現物を見て購入せざるを得ないロッドやリールなどについては、手にとって触れる機会とセットで購入するプロセスはどこまでいってもなくならないし、ここは死守すべきところ。

加えていえば、現状で釣り情報というのはまだまだインターネットの世界よりも釣具屋や船宿みたいなところが充実していると思われるので、情報発信のサービスを拡充していってほしいと思います。

会員制の情報提供とか、即時性と情報量があれば有料でも需要あるんじゃないかなって。
店員さんの知識や情報って、どこまでいってもアマゾンのユーザーレビューなんかじゃ勝ち目ないと思いますからね。

最近ではフィッシング遊がタックルレンタルとか始めましたが、あれも恐らく中古買取在庫を回転させる仕組みだと思いますので、たとえばもう一歩踏み込んで、ユーザー間でのシェアリングなんかも釣り具でできるんじゃないかなと。

コストメリットを出すロジックをユーザーに打ち出すのは難しいかもですが、例えば年間10回しかショアジギにいかない人が最高級のショアジギタックルを年間2万で借りたら買うより断然お得です!みたいなことですが。

未だに所有欲みたいなところが大事な釣り具ですが、裾のを広げるという意味では買わせずに使わせる、ほうがビジネスチャンスは多い気が。実際消耗品で使うお金って釣り具ではかなりシェア高いですしね。

もちろん、特定のジャンルに拘った専門性の高いお店もこの先ずっと頑張ってほしい。
釣りは文化ですから、文化を支えるという意味では小さくても、こだわりぬいたお店はぶれることなく突き進んでほしいですし、そういったところこそ更なる釣りの魅力を伝えていく役割をこれからも担い続けていただきたいです。

裾野を広げること、流通と購買、消費の変化、釣り業界でもきっと避けられない課題なんだろうなと思いますが、店舗自体がなくなって欲しくないなと心から思います。

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